日本語教師を目指す理由の一つとして、「外国人とかかわる仕事がしたい!」と思っている方も多いのではないでしょうか。
必要な資格や、自分に向いているかなど、分からないことが多いですよね。
そこで本記事では、元日本語教師の私が
日本語教師の仕事内容や、日本語教師になる方法を詳しくご紹介します。
- 海外が好きで、外国人と関わる仕事がしたい!
- 日本語教師に興味がある
- 将来の進路に悩んでいる
日本語教師に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
日本語教師ってどんな仕事?
日本語教師は、日本語を母語としない人に日本語を教える仕事です。
「日本語」と一言で言っても、文法・会話・漢字など教える内容はたくさんあります。
また、日本語だけでなく、日本の文化やマナー、礼儀なども教えます。
留学生が日本に住むときに、困らないようにするためです!
私が日本語教師時代にやっていた仕事内容をまとめるとこんな感じです。
- 日本語の授業(主にJLPT対策)
- 担任業務(出欠管理、生活指導、学生の病院引率など)
- 宿題やテスト作成・採点
- カリキュラム作成
- 進路指導(面接練習、書類作成)
- 学校イベント企画・実行 etc…
その学校の勉強スタイルが「日本での進学・就職を目標としている」のか、「ただの趣味で日本語を勉強する」のかで、授業内容も大きく変わると思います。
私が勤めていた学校は、特に仕事内容が幅広かったです
日本語教師に向いているのはどんな人?
日本語教師を経験した上で、どんな人が向いているかご紹介します。
コミュニケーションをとるのが上手な人
お国柄にもよりますが、自分から率先して話に来る学生はほとんどいませんでした。
そのため、自分からガンガン話しかけて、学生と距離を縮めることがかなり重要です。
問題を抱えていたり悩みがあっても、仲良くなっていない段階で自分から相談しに来ることはまずありません。
仲良くなってから、「先生、実はね…」と相談してくれるようになりました
受身にならずに、率先して学生とコミュニケーションを取りに行ける人が向いています。
海外文化に興味があり、受け入れられる人
正直1年目の頃は、学生に対して「なんでそんなことすんの!?」という衝撃の連続でした。笑
母国の高校を卒業してすぐ日本に留学する若い年代が多かったので、母国の感覚のまま日本で生きている学生が多かったです。
私自身も、学生のお国事情をまだ全然知りませんでした…
そんな中で、頭ごなしに行動を叱るのではなく、
相手の文化を聞きながら「どうしてそんな行動をとったのか」を学生と一緒に考えられる人が理想です。
日本にまだなじめていない学生からしたら、「なんで今怒られているんだろう…」と思ってしまいます
忍耐力と責任感がある人
私は特に初級クラスを担当することが多かったので、
学生が何を言いたいのか、何の話をしているのか分からないことも多かったです。
辛抱強く、最後まで学生の話に耳を傾けられる人がいいですね。
正直、わからなすぎてイライラしてしまうこともあったり…
また、学生は母国を離れて一人で日本に来る学生も多いので、
「担任である私が責任をもって最後まで面倒見るぞ!」と常に思いながら仕事をしていました。
日本に来たばかりの留学生は、頼れる日本人は学校の先生だけという子も多いと思います。
特に東南アジアは、毎日家族と電話するほど、家族との繋がりが深い文化です
日本語教師になるには?
実は、現状日本語教師になるために必須の資格や免許はありません。
しかし、国内の日本語学校で働くとなると、以下の3つのルートで日本語教師を目指すことになります。
- 大学または大学院で日本語教育に関する主専攻プログラムか副専攻プログラムのいずれかを修了する
- 「日本語教育能力試験」に合格する
- 学士の学位を持ち、文化庁が認定する420時間の「日本語教師養成講座」を修了する
③の「学士」は、大学を卒業した人のことだよ!
それでは、1つずつ見ていきましょう。
①大学・大学院で日本語教育を専攻する
日本語教師に必要な知識を身につけながら、一般教養も勉強できます。
学校によってカリキュラムは違いますが、模擬授業など実践的な練習をするところはあまりないようです。
②「日本語教育能力試験」に合格する
日本語教育能力試験は年に1度開催されていて、年齢や学歴などの制限がないのでだれでも受験可能です。
受験できる場所は、北海道、仙台、東京、名古屋、近畿、中国、福岡の7か所です。
過去問を使って独学で勉強する人もいれば、対策講座を受講して合格を目指す人もいます。
受験料は17,000円で、3つのルートの中で一番低価格となっています。
③420時間の「日本語教師養成講座」を修了する
すでに大学を卒業している人は、文化庁が認定する420時間の養成講座を修了するというルートもあります。
最短3ヶ月〜1年で取得可能です。
通学講座が一般的ですが、オンラインで受講できるところもあるので、自分に合ったスタイルを選べます。
私もこのルートで日本語教師になりました!
日本語教師として海外で働ける?
結論から言うと、働けます!!
日本国内、海外でどんな活躍の場があるのかをまとめてみました。
- 日本語学校
- 外国人を雇っている企業
- オンライン日本語教師(プライベートレッスン)
- 日本語教室ボランティア
- 日本語学校
- 職業訓練校(将来日本で技能実習生として働くための学校)
- 小学校・中学校・高校・大学
- オンライン日本語教師(プライベートレッスン)
- 青年海外協力隊や国際交流基金などの派遣
実際私が経験したのは、国内で日本語学校とオンライン日本語教師、
そして海外では職業訓練校、オンライン日本語教師として教えた経験があります。
特に海外では、N3レベルの現地の先生が普通に教えていたりするので、日本人の日本語教師はかなり歓迎されました。
働く場所が東南アジアであれば、物価が安いので自然と給料も下がりますが、
現地で暮らせるだけのお金があればいい!という方は、海外での日本語教師もおすすめです。
と言いつつ、東南アジアは家賃も物価も安いので、私の場合は毎月2,3万円貯金できていました!
日本語教師のやりがい・魅力は?
いろんな国の人と関われる
日本語教師として働いていると、いろいろな国の学生を教えることになります。
授業中、日本の文化を教えることが多いですが、雑談の中で学生の国のことも教えてくれるので
自分の知らなかった文化や価値観を知ることができます。
学生の成長を感じられる
最初はうまく話せなかった学生が少しずつ話せるようになったり、
日本語能力試験(JLPT)に合格して喜ぶ姿を見たりしたとき、
あー日本語教師になってよかったなぁ…としみじみ思います。
学生から「先生のおかげです」「先生ありがとう」と言われたときは思わず目から水が…
年齢・場所問わず働ける
日本語教師の業界は年齢層が高い方が多いので、いくつになっても働けるのが魅力です。
実際私の周りには、育児をしながら働くお母さんや、おじいちゃん先生もいました。
また、上記でお話した通り、海外での需要もあるので
日本で経験を積んでから海外で日本語教師をするという働き方も可能です!
私は以前の職場が合わなかったのですが、日本語教師はどんな形でもまたできるという安心感があったので、すっぱり辞められました!
日本語教師として働くデメリットも…
給料が安い
そもそも日本語教師の業界は、正社員として雇ってもらえるところが少ないです。
令和3年 文化庁国語課のデータによると、
日本語教師全体の数:39,241人
- ボランティア:18,845人(48.0%)
- 非常勤講師:14,230人(36.3%)
- 常勤講師:6,166人(15.7%)
の順となっています。
令和3年度 文化庁国語課「国内の日本語教育の概要」
このように、非常勤講師やボランティアとして働く方が約80%を占めています。
常勤講師であっても、年収300万円を超えたら良いほうと言われています。
私の場合、常勤(正社員)で月20万円くらいでしたが、ボーナスがめちゃくちゃ低かったです…
授業準備が大変
日本語教師になりたての頃は、丁寧な教案を書くように言われていました。
勤務時間中は、授業やテスト採点、事務作業などやることがたくさんあったので、会社で教案作成に時間を取ることはできませんでした。
そのため、自然と勤務時間外に教案を作ることになります。
1年目の頃は、毎日へとへとになって帰ったあとで、夜中までかけて教案を書いていました。
この教案作成の時間も給料くれ〜と思っていました。笑
もちろん経験を積んで慣れていくと、教案作成の時間も短縮できるようになるし、
ざっくりした教案でも授業がこなせるようになります。
業務量が多い
これは常勤の場合ですが、最初にお話した通り、日本語教師の業務は幅広くあります。
毎日授業をするだけでも大変ですが、その上に学生の指導やパソコン作業なども入ってくるのでかなりハードです。
正直、日本語教師の仕事はかなり体力勝負です…!
授業だけをしたい方や、育児で忙しい方などは非常勤としてフレキシブルに働くのもアリですね。
まとめ
本記事では、日本語教師になるための方法や、メリット・デメリットを紹介してきました。
ハードな仕事ですが、やりがいがあり、学生と一緒に成長できるおすすめの仕事です。
最後に、今回のおさらいをしておきましょう!
- 大学または大学院で日本語教育に関する主専攻プログラムか副専攻プログラムのいずれかを修了する
- 「日本語教育能力試験」に合格する
- 学士の学位を持ち、文化庁が認定する420時間の「日本語教師養成講座」を修了する
- いろんな国の人と関われる
- 学生の成長を感じられる
- 年齢・場所問わず働ける
- 給料が安い
- 授業準備が大変
- 業務量が多い
デメリットもありますが、個人的にはとても大好きな仕事です。
特に、給料よりやりがい重視の仕事をお探しの方は、ぴったりの職業だと思います!
もし仮に私のように職場が合わなくて辞めてしまったとしても、資格を持っていれば、オンラインや学校など働き方はいろいろあります!
外国人と関わる仕事がしたい方や、将来海外で働いてみたい方はぜひチャレンジしてみてください。
日本語を勉強してくれる、夢を持つ外国人の成長を、一緒に支えていきましょう!
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